確かに面白いんですが、もうこれ以上リアルさを追求するとゲームとして破綻する危険性も内包していると思います。
とくにこのゲームは敵に見つからないように、「潜入」が目的なのですが、時に見つかった後に時間が経つと安全になったり、ボス戦がなぜか1対1だったりと言う風に、「リアル」性の境界線があいまいだったりするところがたくさん有ります。
もちろんそれ以上に「おもしろい」という点を追求している部分もある為、矛盾は生じてしまいますが、少なくとも、このゲームにはただ単にハードボイルドだったり、シビアだったり、ストイックだったりする印象を受けますが、随所にユーモアを見せてくれるところが、ゲーム自身にも、プレイヤー自身にも「救い」を与えているのかなぁと感じます。
その昔、マンガ家の手塚おさむ氏が、マンガはあくまでもマンガなんだと読者にあまりにものめり込み過ぎないように、シリアスになってくるとコマとコマの間に無意味なキャラクターで「ヒョウタンツギ」というキャラクタを頻繁に登場させていたと聞いた事があります。
箱庭の現実には必ず境界線があり、現実には境界線はありません。このブログでもPCゲームをある程度扱ってきましたが、いま殆どのゲームがCGでリアルさを追求し、そして各社もそれを競っています。放線マッピングやら、ピクセルシェーダーやらの様々新技術が開発され、その「見た目」はどんどん「リアル」に近づいています。しかし、このまま近づくと、かならずどこかで、ゲームの「ゲーム性」そのものが破綻する時がくると思っています。実際、MMORPGなどのジャンルでは、次第にその「破綻」を露呈しかけてきているように見受けられます。通常の社会生活に戻れなくなり、悩んでいる方もWEB上でたくさんおられるようです。これは、このジャンルに限らず、ただこのジャンルの特異性が引き起こしやすかっただけで、すべてのゲームジャンルがこの可能性を内包していると思います。今回は「リアルさ」について焦点を当てていますが、ほかの要因でも勿論考えられます。
ゲームに求められるの本当の技術とはなんなのでしょうか?映像、音声、体感技術でしょうか?ただ一つの目的は「面白さ」だと思います。
このゲームは改めて、今後のゲームについて考えさせられる深い作品でした。良作です。